第3話黒赤紫三段レース
2023.01.10 SEASON 1Chapter:
朝は発酵食品とフルーツ。ビタミンはなるべく生の食材から摂って、1日に必要な栄養素の半分以上を午前中で賄うのがオレに合っている。嗜好品は紅茶が好き。
日課であるヨガとスキンケアを施して、今日は何を着ようか鏡の前でソロショーを開催した。
今朝はいつもより足がスッキリしている気がする。昨夜の公園での散策が要因かな?
深夜0時くらいまでは公園にいて、たくさん歩いたししゃがんだ。草木の影にスマホのライトを照らしていた。
警察官に声をかけられたのを思い返して、笑っちゃいそうになる。オレと炉輝は、宇宙人だってことがバレたのかと思って顔面蒼白になったんだよね。
「ふふ」
バレるわけがないのにねえ。地球では、異星人の存在をずっと解明できずにいるんだから。いち警察官が暴けるはずがない。
でもそのあとすぐ「職務質問」というものをされていると気づいたときは、もっと焦ったのも笑っちゃう。
「さて。行こうかな」
香りづけのためにシトラス系の花を咲かせてから家を出た。行き先は晴海のイベントホール。目的は、炉輝の謝罪の代弁。探すと言ったものを見つけられなかったから。
炉輝は陽が登ってすぐにまた公園に行ったみたいで、探す努力を続けているけど、割と絶望的だろうなと思ってる。
だからって「ルロンの社交能力で
晴海のイベントホールは、オレが思っていたより人が多かった。そして、キラキラしていた。
擬似表現でもなんでもなく、ホール前の広場にてアニメキャラの格好をしている人たちが、輝いていた。ヨドンヨルスとは真逆の、明るい光源。被写体も、カメラマンも、楽しい楽しい楽しい! と、光のオーラを通して叫んでいるように見えた。
それでも視界に入るのは、黒くよどんだダークネス。
広場の右端にてぽつんと佇む、中世西洋貴族の女子に近づいた。